秋のお茶の楽しみ方

2016年9月16日

秋の新茶

新茶というと4~5月の春に摘まれたお茶のイメージがありますが、秋にも新茶と呼ばれるものがあり、春とはまた違った風味が楽しめます。
そんな秋の新茶には二通りのお茶があります。

ひとつは「蔵出し茶」「口切り茶」などと呼ばれるもので、春の新茶を低温で寝かせ、秋に仕上げたお茶のことを言います。
熟成された茶葉は角がとれてまろやかな味わいとなります。
春の新茶とはがらりと風味が変わっているので、飲み比べてみるのもひとつの楽しみ方ですね。

もうひとつは「秋摘み茶」。
茶の木からその年最初に摘まれたものを「一番茶」と呼びます。その後に摘んだ芽を「二番茶」「三番茶」と続き、秋分の頃(9月の中頃から10月の中頃)に最後に摘んだものが秋摘み茶となります。
(茶園によってはもっと遅くに摘まれるものもあります。)
渋みがありあっさりとした味わいで、生産量が少なく希少性が高いお茶です。
また、カテキンとカフェインが多く体にいいと言われています。

名残の季節

ここからは茶道のお話です。

9月から10月にかけては名残の季節とされています。
夏の間親しんできた風炉への名残り、残り少なくなった茶壷のお茶への名残を惜しむ季節で、もののあわれを感じさせるような寂びた風情を味わいます。
掛物や茶碗なども侘びた趣きのものが好ましいとされており、この時季ならではのとても味わい深い茶事を楽しむことができます。

炉開き(開炉)・口切

立冬の頃(10月の終わりから11月初め頃)には、風炉の使用をやめて炉を使い始めます。
茶室の衣替えをし、新しい季節を迎えます。

また、その年の春の新茶を詰めておいた茶壷の口の封を切る、口切の茶事もこの頃に行います。この日のために寝かされた茶葉を挽いて、お茶を点てます。
茶人にとっての正月ともされていて、名残の侘びた雰囲気から一転、おめでたい華やかなしつらえとなります。



季節が移り替わるこの時期は、紅葉やお花やお料理も変化に富み、趣があり、楽しみの多い季節です。
ぜひ、お茶を通して季節の変化を感じてみてください。

お探しの道具がございましたら、ぜひご相談ください。
お取り寄せにも対応いたします。

※表示内容・料金は、2016年9月16日時点のものです。

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